景観 X 開花。

株式会社ドーコン 事業事例

―『仙台流儀を育む橋』 仙台地下鉄東西線広瀬川橋りょう―

 広瀬川地区橋りょうは,仙台市交通局が建設を進めている地下鉄東西線(平成27年度開業予定)のうち,広瀬川に架かる橋梁(広瀬川橋りょう)と西公園を横断する高架橋(西公園高架橋)です.
 架橋地点である広瀬川を含めた青葉山周辺は,のアイデンティティを保つ重要な景観的シンボルとして位置づけられており,この周辺環境と調和しデザイン的にも優れた橋りょうを実現するため,『広瀬川橋りょう他設計競技』が行われました.弊社は,この設計競技において,迷惑施設になりかねない「公園を貫く橋」を「新たな活動の生む舞台」に変換したいと考え,遠目には自然風景に埋没しながら,近づくにつれて粋な工夫を見せるというダブルフェース(二面性)を持ちつつ,降っても照っても役立つひとつの「公園装置に徹する橋」を提案し,最優秀賞を受賞することができました。

 広瀬川橋りょうは,最大径間70mの3径間連続PRCラーメン橋です.張出しの大きな逆三角形断面の主桁が,ユニークな桁裏の表情を創出しました.この造形は昭和初期より大橋が築いてきた空間を尊重し,大橋とのダブルシルエット(同時眺望)を強く意識したものです.
 また西公園高架橋は,支間わずか5mのRCスラブ式CFT柱ラーメン橋で,桁下は大きく張り出した天井と列柱が魅力的なプロムナードを創りました.
 地味な姿ではありますが,ここで生まれる市民の活動と美しい自然が,やがては「仙台流儀を育む橋」に成長させてくれることを期待しています

―自然・社会環境に調和したダムづくり 北海道当別ダム―

 当別ダムでは本格的な設計の始まる前に,地元自治体,住民,河川管理者,学識経験者からなる「当別ダムグランドデザイン検討会」を立ち上げ,周辺の自然・社会環境に調和し,地域に根ざしたイメージを表すダムづくりを目指して,デザインについて検討を行ってきました.
 当別ダムは,世界初の台形CSGダム形式を採用し,堤高52.0m,堤頂長432m,総貯水量74,500,000m3を誇り,平成24年6月には試験湛水を終え完成しています.
 完成したダムを見てみると,当時のコンセプト通りにダム堤体越流部は,機能と経年変化による汚れ方を考慮した形状(常用洪水吐部と非常用洪水吐部の堤体下流面に仕切りを入れる)になっています.またダム湖に架かる横断橋も当時のコンセプト通り,上部構造をできるだけコンパクトにした上で,自然景観と調和してシンプルな湖面上の一本の美しいラインとなっています.

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