季節変動する自然を生かした交通システム
世界には,アマゾン流域における増水期の外洋船輸送や,東シベリアの凍結河川上の道路など,季節変動する自然条件を生かした交通システムがあります.これらの交通システムは,長大橋梁,長大トンネルや大水深港湾に比べて経済的で,資源や環境への負荷も小さいという利点がありますが,今後地球規模の気候変動の大きな影響を受ける危険性があります.そこで,中期的な気候予測を行う方法,合理的な輸送計画を立案する方法,輸送路の条件の簡易な計測方法などについて,研究しています.
人口減少と情報通信の影響を考えた交通ネットワーク
これまで,新幹線や空港などの交通施設は,人口増加を前提として整備されてきましたが,今後は人口減少やITへの移行により,需要が減少すると考えられます.そのため,交通に用いる資源や労働の量を減少させつつも,主要な地域間の利便性が確保でき,さらには欠航・遅延や自然災害リスクへの対応力のあるネットワークの構築が必要です.そこで,情報通信技術の影響を踏まえた交通行動モデル,乗り継ぎ利用を前提としたネットワークの計画モデルについて,研究しています.
リサイクル産業の経済行動と立地行動
地球温暖化などの問題を解決するには,リサイクル産業を育成して循環型の産業構造に変更して行く必要があります.販売量の予測に基づいて生産計画を立案できる通常の産業と異なり,リサイクル産業は不確実なリサイクル財の排出に対応するために在庫を調整するという行動をとっています.この在庫調整行動の経済理論モデルを開発するとともに,リサイクル産業の立地行動に関する分析を進めています.
卒業論文タイトル (過去三年間)
- 2006年度
- 都市間交通の機関選択における運航スケジュールの影響分析 (木村 裕介)
- 公共交通利便性の経年的な安定性に関する研究 (堀内 智司)
- 2007年度
- カスピ海石油パイプライン建設に関する提携構造の分析 (佐々木 和寛)
- 確率的な需要変動を考慮した対事業所サービス業支社配置のモデル分析 (高田 直樹)
- 2008年度
- 通信技術の発達を考慮した都市間業務交通の経年的分析 (石山 翔)
- 交通利便性の高い都市構造の計算方法 (鴫原 亮介)
修士論文タイトル (過去三年間)
- 2008年度
- 潜在化の影響を受ける観測交通量を用いた交通需要の統計的分析(加藤 寛道)
- 都市間旅客の利用可能経路とその選択に関する研究(木村 裕介)
- 移動中の利用を考慮した地域公共施設の施設配置計画(堀内 智司)
- 行動及び満足度の変化から見た地域交通計画評価 (渡戸 俊介)
- 都市間旅客の利用可能経路とその選択に関する研究(木村 裕介)