東北大学大学院工学研究科 土木工学専攻 *
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社会システム計画学研究室

教授 宮城 俊彦 ・ 准教授 福本 潤也 ・ 技術職員 星 啓

研究室ページ


研究内容

社会システム計画学研究室では,地域社会における交通をはじめとする社会基盤整備のあり方について研究を行っています.主な研究テーマは,交通需要予測・都市構造の変化の予測と社会基盤整備の評価および公共政策の経済分析です.厚生経済学,公共経済学,計量経済学などの応用経済学的な手法を用い,社会基盤整備の評価ならびに都市・環境問題を解決するための規制や税・補助制度あるいは社会基盤整備に関わる制度設計について公共政策的な観点から研究しています.特に,現実社会での運用や制度化といったことも考慮し,理論面の検討だけでなく,実用性についても重視して研究を行っています.
以下では,代表的な研究テーマを紹介します.


社会基盤整備の費用便益分析

 

社会基盤整備計画の善し悪しを判断する手法として費用便益分析という手法が古くから開発されてきました.社会基盤整備の性質によって手法もいくつか存在します.研究室では,費用便益分析の基礎理論の再検討,従来手法の改良および新たな手法の開発を行っています.また,費用便益分析を行うためには,社会基盤によって空間的に変化する経済システムを予測する必要があります.そのための理論構築についても研究を行っています.

 

 

 

 

 


適正な社会基盤整備のための社会経済システム

 

社会基盤整備は単独で存在するわけではなく,社会経済システムの中にあります.そのため,社会経済システムの適正化と同時に社会基盤整備を考える必要があります.例えば,土地利用規制などの規制により社会基盤の適正量は変化します.その場合,規制と社会基盤整備を同時に考えることでより望ましい社会を達成することが可能になります.研究室では,このような規制や社会システムと社会基盤整備を同時に考慮した新たな政策を検討しています.

 

 

 


社会基盤維持のための税・補助,料金制度

 

社会基盤(公的総固定資本形成)の整備は減少傾向にあり,さらに政府の赤字(公債残高)も急増しています.このような中,新たな社会基盤整備を行うことは困難になってきています.そこで,社会基盤の維持のために補助や料金制度をうまく組み合わせることが重要です.研究室では,社会的に望ましく,実行可能な税・補助,料金制度について研究を行っています.
   

 

 

 


 

具体的な研究課題

・ 交通,防災,公園施設などの社会資本整備評価手法の確立

・ 交通政策や都市政策のための厚生評価指標の検討

・ 都市の集積構造等の分析および空間経済を考慮した社会基盤整備の評価手法の検討

・ ロードプライシングやゾーニング等の都市政策の経済分析

・ 地球温暖化問題,大気汚染,自然災害など環境問題に対する最適政策の検討

・ 社会基盤整備事業の効率的なマネジメント手法の開発および制度設計に関する検討


卒業論文タイトル (過去三年間)

2004年度
インフラの競合性と減耗の経済成長経路に与える影響分析 (桑島 氏直)
2005年度
災害避難時における群集行動形成メカニズムのモデル化とその厚生分析 (山田昌和)  
2006年度
地域政策提案制度の役割に関する理論的考察 (國枝 真季)  
3ヶ国モデルにおける国際交通施設整備援助の厚生分析 (仁平 浩史)

修士論文タイトル (過去三年間)

2004年度
不確実性・非対称情報下における民間主導型社会資本整備の事業スキームに関する研究 (原 貞彦)
2006年度
単一中心都市における住宅地開発の空間的パターンに関する分析(桑島氏直)


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